
シンフォニーの魅力は、さまざまな楽器が奏でるハーモニィの響きにあります。普通に楽しまれているウイスキーのほとんどは、ブレンデッドウイスキーといわれるもので、いわばシンフォ二ィにあたります。
では、どんな楽器が活躍しているのでしょうか?ひとつの楽器を取りだして、その特有の音色をソロでじっくり聞いてみたい・・。そんな想いを持つ方が増えてきました。その想いに少しでもお応えできればと思います。
シングルモルトウイスキー
♪シングル : ウイスキーが単一の蒸留所に由来する事を意味しています。その中には、単一蒸留所のひとつの樽だけのものを瓶詰めしたものもあり、これを、〈シングル・カクス〉と呼んでいます。 単一蒸留所のモルトどうしのバッティングもシングルと呼びます。
♪モルト : 穀物を水に浸し、少し発芽させた後、水に溶けやすいように乾燥させたものです。 スコットランドとアイルランドにおいてウイスキー用のモルトに使用する穀物は、例外なく大麦です。
♪スコッチ : スコットランドでは、この〈スコッチ〉という呼称を国際的に保護しています。スコットランドで生産されない限り〈スコッチ〉と呼ぶことはゆるされません。 スコットランドは、北海道くらいの大きさで、人口は英国全体の約一割の514万人。人種はケルト系のゲール人です。
フレーバーとその起源
♪ 雪 : 雪解け水。(これほど、スコッチウイスキーにおいて大切なものはありません。)
♪ 岩 : 水が通り抜ける岩の種類により、水にさまざまな性格を与えます。
* 花崗岩のような大きな岩を通る水は軟水となり、砂岩層のような岩を通る水はミネラル分を多く含む硬水となります。
♪土壌と
ピート: 水は岩の上だけを通るものではありません。蒸留所に近づくにつれてピートの中を通過します。このピート成分もまた、ウイスキーに独特の影響をあたえます。ピートは、モルトを乾燥させるときにも使われ、スモーキーな香りがウイスキーに付与されます。
* へザー(ヒースとも呼ばれる)の茂った荒野がフローラルで蜂密のような特徴を与えます。
♪大 麦 : シングルモルトスコッチウイスキーの原料となるモルトは、大麦から作られます。大麦の品種には、ゴールデンプロミスやトライアンフなどがあります。
♪ポットスチル
の形: 蒸留所ごとにスチルの形は全部違います。一般には、高く細いスチルからはデリケートな、低く太いスチルからはオイリーでクリーミィなスピリッツが得られると言われています。
♪大 気 : 山の中の寒冷地のウイスキーはクリーンになります。海岸地帯は、塩辛いような海藻のような香りです。
各地域の特徴
♪ローランド地域
グレーンウィスキー工場やブレンド業者、瓶詰工場の大半がこの地方にあり、ウィスキー産業の中心地といえます。ローランドスタイル。それは、〈ライトタイプ〉です。熟成するのが早いので10~15年ものが中心です。現在はオーへントッシャン・グレンキンチー・ブラドノックなどが操業しています。
♪ハイランド地域
北部地区〈オールドプルトニー,クライネリッシュ,グレンモーレンジetc〉内陸的性格と海の性格がミックスされたつわものそろいの地区です。
西部地区〈オーバンetc〉アイラモルトとスペイサイドモルトの中間的な性格を持ち古典的です。ドライでピーテイそして塩っぽい感じがします。
東部、中部、南部地区〈エドラダワー。グレンタレットetc〉華やかな香りを持ちながらも、どこか土や草の根の味わいを感じさせます。
スペイサイド地区〈グレンリヴェット。マッカラン。ストラスアイラetc〉スコットランドの蒸留所の約半数が集中しているウィスキーつくりのメッカです。 エレガントなバランスのとれたモルト。一方でビッグでシェリーっぽいタイプもあります。
アイランズ〈ハイランドパーク,スキャパ,タリスカーetc〉島産のモルトにはそれぞれに強烈な個性があります。ハイランドパークはオールラウンドプレイヤー、スキャパはさわやかな草原の風、タリスカーはスパイスの爆発を思わせてくれます。
♪アイラ島
海に囲まれていることと、ピートを深く焚きこむことがアイラ島のモルトに強い個性を与えています。〈ブリックラデイ、ブナハーブン、カリラ、アードべグ、ラガバーリン、ラフロイグ、ポートエレン、ボウモアetc〉
♪キャンベルタン
キンタイア半島の先端にある町。〈スプリングバンク,ロングロウ,グレンスコシア〉塩っぽいのが共通点で豊かな風味とコクを持ちます。
ひとことで『シングルモルト』といっても味わいは決して一つではありません。それぞれの幅と奥行きをじっくりと感じ取ってください。